土地なし客を逃す不動産会社、相見積り地獄のリフォーム会社新築規格住宅が切り開く新たな収益源 – 株式会社LIFE QUARTET

2026.01.23

土地なし客を逃す不動産会社、相見積り地獄のリフォーム会社
新築規格住宅が切り開く新たな収益源

土地なし客を逃す不動産会社、相見積り地獄のリフォーム会社<br>新築規格住宅が切り開く新たな収益源

「新築事業は必須」でも「注文住宅への参入はハイリスク」

土地なし客を逃す不動産会社、相見積り地獄のリフォーム会社<br>新築規格住宅が切り開く新たな収益源

「土地を仲介しても手数料だけで、建物の大きな商談は工務店へ」「大規模リノベの相見積りで、利益がほとんど残らない」不動産会社とリフォーム会社の経営者が、日常的に直面している収益構造の限界である。

土地なし客を逃す不動産会社

本来、不動産会社にとって「土地なし客」は、最も長期的な関係を築ける優良顧客層だ。しかし現実には、土地情報を提供した後、建物という高額商談は工務店やハウスメーカーに渡り、自社は仲介手数料のみで取引が完結してしまう。

相見積り地獄のリフォーム会社

一方、リフォーム会社は建築費・人件費が上昇し続ける中、相見積り合戦で値下げ圧力にさらされ、利益率は悪化の一途を辿っている。大規模リノベーションでさえも、利益率が落ち込んでいるケースが少なくない。

 

こうした状況に対して、当然生まれるのが「新築事業に参入すべきでは」という発想だ。しかし同時に立ちはだかるのが、技術者確保の困難さ、複雑化する法規制、膨大な初期投資リスク。つまり、「注文住宅への参入はあまりにハイリスク」という現実である。

 

このジレンマの解決策が「新築規格住宅」への参入だ。事実、異業種から新築市場に参入して成功を収めている企業は、例外なく規格住宅(パッケージ商品)を選択している。


市場を揺るがす構造変化

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では、なぜ今「規格住宅」なのか。その背景には、住宅市場を根底から揺るがす二つの構造変化がある。これらの変化を正確に理解することが、規格住宅参入の必然性を理解する鍵となるだろう。

 

リノベーション神話の崩壊

第一の変化は、リノベーション市場で起きている価格構造の劇的な転換だ。日本建設業連合会の2025年9月の調査によると、平均資材価格(建築部門)は2021年1月と比較して36%上昇、労務費も22.9%上昇。この上昇率は、個別対応が中心のリノベーション工事に特に深刻な影響を及ぼしている。

 

新築規格住宅は標準化・量産化によってコスト上昇を一定程度吸収できる。一方、リノベーションは既存建物の状態に合わせた個別対応が必須であり、コスト上昇の影響が直撃するのだ。さらに相見積り環境下では、価格転嫁もハードルが高い。

 

この結果、従来「新築よりも安い」とされてきた「中古+リノベーション」が、新築規格住宅の価格に肉薄し、場合によっては逆転するケースも。リフォーム会社の経営者であれば、この現実を日々肌で感じているだろう。

 

法改正が築く参入障壁

さらに決定的な変化が法制度面で進行している。2025年4月からすべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化された。これは表面的な基準変更ではなく、住宅設計の根本的な技術転換を意味している。

 

中途半端な知識で注文住宅設計に手を出すことは、もはやリスクが高すぎる。断熱性能計算、設備効率の算定、気密性能の確保。これらを確実にクリアするには、相当な技術的蓄積や経験が必要だ。

 

一方、規格住宅であれば、標準仕様の段階で省エネ基準をクリアする設計が完了しており、個別対応のリスクを回避できる。法改正は、実質的に注文住宅への参入障壁を大幅に引き上げたのである。


なぜZ世代は規格住宅を選ぶのか

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市場環境の変化に加えて、顧客側の意識も根本的に変化している。特に住宅購入の中心層となりつつあるZ世代・ミレニアル世代の変化を理解することが、規格住宅ビジネス成功の前提条件だ。

 

Z世代・ミレニアル世代の本音

Z世代・ミレニアル世代の住宅購入における価値観は、従来世代と異なる。第一の特徴は「自由度よりもタイパ重視」である。住宅改良開発公社が実施した「Z世代賃貸住宅居住者アンケート調査」では、住宅内の機器や家具に関連するライフスタイルや意識について約半数が「タイムパフォーマンスや効率性を重視したい」と回答している。リクルートの「2024年注文住宅動向・トレンド調査」によると、建築者が重視する点として「設計の自由度が高いこと」は前年から4.9%減少し26.0%にとどまった。

 

第二の特徴は「情報の透明性重視」である。デジタルネイティブである彼らは、スマホで価格や品質を調べ、複数の選択肢を比較検討してから意思決定する。「見積りを取ってみないと分からない」「追加費用がどれくらいかかるか不明」といった不透明な状態は受け入れられない。価格・仕様・工期が明確で、事前にWebやカタログで比較可能な状態を求めているのだ。

 

規格住宅が選ばれる理由は効率と明確さ

新世代が求める「タイパ」や「情報の透明性」といった条件を満たす選択肢が、規格住宅である。

 

規格住宅は価格と仕様が事前に確定しており、Webサイトやカタログで複数プランを比較できる。「この価格でこの品質」という判断がその場で可能であり、打ち合わせ回数は大幅に削減され、工期も明確だ。

 

注文住宅の仕様決めや価格確認はブラックボックス化されているが、規格住宅の明朗会計と即答可能な仕様体系は、まさに若年層の行動パターンに合致している。


不動産・リフォーム会社だけができる勝ち方

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不動産会社の「土地情報」という武器

不動産会社が規格住宅ビジネスに参入する最大の強みは、土地情報という川上を握っていることだ。多くの住宅購入検討者が最初に直面するのは土地探しの問題であり、この段階で不動産会社と接触する。従来は土地紹介後に顧客が工務店へ流れていたが、規格住宅を用意することで「土地+建物」の総額提案が可能になる。

 

この戦略の効果は絶大だ。土地と建物をセットで提案することで、「土地なし客」を自社で完結できる。収益構造も「仲介手数料+建物」のダブル収益となり、従来の仲介業務と比較して収益性は飛躍的に向上する。土地情報というアドバンテージを最大限活用できるのが、規格住宅ビジネスなのである。

 

リフォーム会社の唯一無二のポジション

リフォーム会社にとって規格住宅参入の意味は、さらに戦略的である。「大規模リノベーション vs 新築建て替え」の比較提案ができるのは、リフォーム会社の特権だ。前述の通り、リノベーション費用の高騰により、両者の価格差は急速に縮小している。

 

この状況を逆手に取れば、既存顧客への建て替え提案によって顧客生涯価値(LTV)を最大化できる。従来のリフォーム単価と比較して、新築建て替えでは大幅な価値向上が見込める。相見積り地獄からも脱却し、収益性と顧客満足度の両方を向上できるのだ。

 

両者に共通する勝算

不動産会社とリフォーム会社に共通する勝算は、規格住宅であれば「建築業」ではなく「パッケージ販売業(物販業)」という発想で参入できることだ。設計・施工業務は信頼できる協力会社に委託し、自社は営業・商品企画・顧客管理に集中する。

 

このモデルであれば、初期投資は最小限に抑えられ、技術者採用のリスクも回避できる。既存の営業力や顧客基盤を活用しながら、新たな収益源を確保する理想的な事業展開が可能になる。建築技術の習得に何年も費やす必要はなく、商品選定と提案力の向上に集中すればよいのだ。


不動産会社・リフォーム会社が今すぐ動くべき理由

新築規格住宅への参入は、業態の根本的転換ではない。これは高単価な「物販業(パッケージ販売)」への参入であり、既存事業の自然な拡張である。重要なのは、先行者利益を確保すること。地域で最初に「土地+規格住宅」または「リノベ vs 規格住宅」を提案できる企業が、その市場を独占的に獲得する可能性が高い。

 

時間的余裕はそれほどない。2025年4月の省エネ基準義務化により、規格住宅の優位性はさらに明確になり、今後競合参入が加速することは確実だ。市場の構造変化を先読みし、いち早く行動を起こした企業のみが、次の成長ステージへと駒を進めることができるのである。

 

規格住宅ビジネスへの参入を検討する第一歩は、自社商圏のポテンシャル診断だ。商圏内にどれだけの潜在需要があり、どの程度の収益が見込めるのか。適切な規格住宅商品はどのブランドか。協力会社の体制はどう構築すべきか。これらを具体的な数値とともに把握することが、成功への最短ルートとなる。

 

LIFE QUARTETでは、商圏ポテンシャル診断と規格住宅ビジネス説明会を常時開催。すでに多くの異業種企業が、このスキームで新築事業への参入を果たし、収益構造の転換に成功している。まずは自社の可能性を数値で確認することから始めてはどうだろうか。

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