2024.07.26

コラボレーションが切り拓く 住宅ビジネスの新たな可能性

コラボレーションが切り拓く 住宅ビジネスの新たな可能性

多様化するコラボ商品が住宅業界にも進出

近年、私たちの日常生活の中でコラボレーション商品を目にする機会が増えている。有名アーティストとスニーカーブランドのコラボシューズ、人気アニメとファストフード店のコラボメニューなど、異なる分野の企業が協力して生み出す商品が溢れているのだ。

この異業種間コラボレーションの波は、住宅業界にも及んでいる。住宅メーカーがアパレルブランドやインテリアショップなどとコラボレーションし、新しい住宅商品を生み出す事例が増えているのである。

住宅業界においてコラボ商品が注目される背景

住宅業界でコラボ商品が注目される背景には、業界を取り巻く環境の変化や消費者ニーズの多様化があるだろう。長年にわたる技術開発の結果、住宅性能や設備における各社の差異が縮小し、エンドユーザーにとって違いを見出すことが難しくなった。その一方で、消費者のライフスタイルや価値観は多様化の一途を辿り、特にコロナ禍を経て「理想の暮らし」や「自分らしさ」を追求する傾向が顕著になってきたのだ。

このような状況下で、コラボレーション住宅は、従来の枠を超えた新しいアプローチとして注目を集めている。技術やスペックだけでなく、ブランドの世界観や生活提案を通じて消費者に新たな価値を提示することで、差別化の難しさや多様化するニーズへの対応という課題に一つの解答を示しているのである。

コラボレーションが切り拓く 住宅ビジネスの新たな可能性

地域工務店がコラボ住宅を採用する3つのメリット

メリット1. 話題性創出:効果的な宣伝効果

コラボ商品は、従来の住宅広告では得られない宣伝効果をもたらす。例えば、人気アパレルブランドとのコラボ住宅は、ファッション誌やライフスタイル系メディアにも取り上げられやすい。これによって、住宅広告を見ない潜在顧客層にもリーチできるのだ。SNSでの拡散も期待でき、口コミによる自然な宣伝効果が得られるだろう。

 

メリット2. 新規顧客開拓:ターゲット層の拡大

コラボ相手のブランドファンを新たな顧客として取り込めるのも、コラボ商品を採用する大きなメリットだ。例えば、人気家具ブランドとのコラボ住宅は、そのブランドのファン層であるインテリア愛好家に訴求できる。住宅会社はハード面の技術開発には力を注いできたが、多様化するライフスタイルに対応したソフト面の提案が課題となっている。この点で、既に確立されたブランドイメージを通じて具体的な住まい方を“見える化”できるのも、コラボ住宅の利点といえるだろう。

 

メリット3. ブランド構築:独自の価値を効率的に確率

競合他社との価格競争からいち早く脱し、比較されずに顧客から選ばれるためにはブランディングが不可欠である。ただし、工務店が独自のブランドを一から構築するには多大な時間とコストを要する。コラボ商品を採用することで、他社との差別化を図り、効率的にブランド力を向上できるのだ。これにより、地域での存在感を高め、独自の価値を持つ工務店として認知されることが期待できる。また、コラボ先のブランドイメージを借りることで、自社のイメージ向上にもつながり、長期的な企業価値の向上にも寄与するだろう。

コラボレーション住宅の実現までの道のり

コラボ住宅には様々なメリットがあるが、一からコラボレーション相手を探して商品開発するのは、地域工務店にとって容易ではない。その過程には多くの労力と時間、そして資金が必要となる。

 


<コラボ商品開発の流れ>

1.コラボ先の選定

市場ニーズを調査し、求められる商品を探る。商品企画のアイデアを出し、コラボする相手について検討する。ただし、コラボ相手は誰でも良いというわけではない。客層やコンセプトに共通点があり、互いに新たな価値を生み出せる企業を選ぶことが、コラボ住宅を成功させるには不可欠だ。

2.コラボ先への提案

初期段階の企画が固まったら、コラボ相手へ打診をする。コラボによる相乗効果を明確に提示することが重要となる。

3.商品開発

ブランドコンセプトを定め、販売ターゲットや商品内容、販売価格を決定する。ネーミングやブランドロゴの開発も必要だ。コンセプトや販売価格、間取りが決まってから建築がスタートする。

4.商品発表・PR

物件完成後は撮影、広告素材の制作、プレスリリース等でメディアやパブリックへ情報を開示。SNSやWeb広告、雑誌タイアップ等を活用し、狙ったターゲットへ商品をアプローチして購買意欲を高めていく。


 

これらの工程を自社だけで進めるのは、多くの地域工務店にとって困難を伴うだろう。

そこで、すでに確立されたコラボ商品の規格住宅を採用することをお勧めする。実績あるコラボ商品を取り入れることで、独自のブランド力と魅力的な商品ラインナップを一気に手に入れられる。コラボレーションの恩恵を最小限の労力とコストで享受し、自社のビジネス拡大につなげることが可能となるのだ。

住宅ブランドUNSTANDARDにおけるコラボ商品

LIFE QUARTETの住宅ブランド「UNSTANDARD」は、住宅のこれまでのスタンダードとは違う価値を提供し、「モノとしての家ではなく、毎日を楽しむ”場”」の思想を体現する規格住宅である。UNSTANDARDでは、複数の企業とのコラボレーションにより、ユニークな住宅商品をリリースしている。

コラボレーションが切り拓く 住宅ビジネスの新たな可能性

NONDESIGN NOA produced by ケンロック

UNSTANDARDの基幹商品「NONDESIGN」と株式会社ケンロックの岩切剣一郎氏とのコラボレーション住宅。旧き良きアメリカのカルチャーを現代的に解釈し、新たな自分らしさを見出すライフスタイルを提案する。オールドアメリカンの洗練と遊びのバランスを取り入れた魅力的な住空間に注目だ。

コラボレーションが切り拓く 住宅ビジネスの新たな可能性

NONDESIGN COUTURE produced by KARE

ドイツ発の独創的で遊び心のあるインテリアブランド「KARE」とのコラボレーション。「ファッションのように暮らしを楽しむ家」をコンセプトに、色彩豊かなアイテムでコーディネートされたインテリアが特徴。クリエイティブな発想を与え、自由にライフスタイルを楽しめる住空間を提供している。

コラボレーションが切り拓く 住宅ビジネスの新たな可能性

NONDESIGN HYGGE produced by Home Landick

「幸せの拠点、心地よさを共に育む家」をテーマに、株式会社ホームランディック一級建築士事務所とコラボレーション。デンマーク発祥の「ヒュッゲ」というライフスタイルコンセプトを取り入れ、好きなことをして自分らしい時間を過ごせる、心地よい空間を創出した。

コラボ商品は全国の加盟店で取り扱われ、あらゆる地方で多数建設される。オウンドメディアでその住宅商品に住んだ人の事例やアイデアを提供することも可能になる。SNS からWEB 記事に誘致し、より深くブランド思想や商品を知ってもらうことで、顧客のファン化も促せるのだ。

 

これらのアプローチにより、地域工務店は大手に負けない魅力的な商品ラインナップを持ちつつ、独自のローカルな強みを活かしたビジネス展開が可能となる。コラボ商品の採用は、地域工務店にとって新たな成長の機会をもたらす可能性を秘めているといえるだろう。

 

商品ページ|NONDESIGN NOA
商品ページ|NONDESIGN COUTURE
商品ページ|NONDESIGN HYGGE

OTHER CONTENT

もっとみる